広陵高校の際立った特徴として、「選手の将来を見据えた出口戦略(進路指導)の確かさ」が挙げられます。甲子園常連校の中には、本人の実力やプロ側の評価が定まっていない段階でも高卒でのプロ入りを強引に後押しするケースが散見されます。しかし、広陵は極めて現実的かつ戦略的なアプローチをとります。
中井監督は「その選手が10年、15年とプロで飯を食える土台があるか」を極めて冷静に見定めます。高卒時点でまだ身体ができていない、あるいは精神的な成熟が必要だと判断した選手には、東京六大学(明治大学、早稲田大学、法政大学など)や東都大学野球、名門社会人チームへの進学・就職を強く推奨します。
その象徴的な成功例が佐野恵太です。高校時代はプロ志望届を出さず、名門・明治大学へ進学。大学野球の厳しい環境で主将を務め、打撃技術とリーダーシップを磨き上げた結果、2016年のドラフト会議でDeNAから9位指名を受けました。下位指名ながら入団4年目で首位打者を獲得し、主将として球団を牽引するまでに至った背景には、大学4年間でじっくりと心技体を熟成させた選択の正しさがあります。
有原航平(早稲田大経由)や河野佳(大阪ガス経由)も同様に、アマチュアのトップレベルで揉まれることで「即戦力」としての評価を確立してからプロへ進みました。大学・社会人球界との強固な信頼関係があるからこそ、広陵の選手はどのルートを通っても最終的にプロのスカウトから高い評価を勝ち取ることができるのです。