大ホールの扉を開けると、そこは別世界だった。ステージを取り囲むように配置された無数のスピーカー。これが、今年導入された最新の空間音響システムだ。音が上空から降り注ぎ、客席の後方から前方へと波のように駆け抜ける。まるで音が生き物のように空間を泳ぐ感覚だ。
「これまでは音が均一に届くことだけが求められていましたが、今は違います」と、音響チーフを務めるスタッフは語る。観客がステージ上の演奏者と「同じ空気」を共有できる設計。この技術革新により、クラシックのコンサートから電子音楽のライブまで、ここでしか味わえない体験価値が劇的に向上した。