タイパ(タイムパフォーマンス)を重視する現代の若者たちが、なぜ着付けに時間のかかる着物に熱狂するのか。そこには、デジタル社会へのカウンターカルチャーが存在する。スマートフォンの画面から離れ、自分の身体と向き合う時間としての「着付け」が、一種のマインドフルネスとして受け入れられているのだ。
さらに、彼女が提案するスタイルは、従来のルールに縛られない。スニーカーを合わせ、インナーにパーカーを仕込み、ベルトで帯を締める。そんな自由な着こなしが、「自分らしさ」を表現する究極の手段となっている。ルールを守ることよりも、衣服としてのアイデンティティを楽しむ姿勢が、今のストリートを支配している。