現代のヒット曲の多くは、スマートで、内省的で、どこか冷めている。イヤホンで一人で聴くための音楽が主流だ。それに対して矢島美容室の音楽は、完全に「外に向けて放たれた爆音」である。他人の目を気にせず、大声で歌い、バカ騒ぎするためのツールだ。
私たちは無意識のうちに、スマートになりすぎた世界に息苦しさを感じているのかもしれない。完璧に計算されたアルゴリズムから外れた、あの「無駄で、うるさくて、愛おしい熱量」を求めている。彼女たちの歌は、私たちが心のどこかで抑圧している「とにかく大騒ぎしたい」という原始的な欲求を、一瞬で解放してくれるトリガーなのだ。