太鼓台の魅力は、その迫力ある運行だけでなく、工芸品としての圧倒的な美しさにあります。太鼓台本体を彩る「飾り幕」には、金糸を贅沢に使用した立体的な高欄幕や布団締めが施されており、陽光や夜間照明を浴びて黄金色に輝きます。
幕に描かれる図柄は、龍や虎、波間に躍る神獣、あるいは『平家物語』や『三国志』などの武者絵が中心です綿を幾重にも詰め込んで盛り上げた上に、手作業で金糸を縫い込んでいく技法はまさに職人技の極み。太鼓台1台あたりの新調・修復費用は数千万円から1億円超にのぼるとされ、地域の住民たちが資金を出し合い、何十年・何百年と大切に守り伝えています。「動く美術館」と称される所以は、この惜しみなく注ぎ込まれた美と誇りにあります。