「MRIの方が機器も大きく高額だから精密なのでは?」と思われがちですが、医学的な答えは「診たい病気によって得意不得意がある」となります。
代表的な例が、頭部における脳梗塞とくも膜下出血の診断です。発症から数時間以内の「超急性期脳梗塞」を見つけ出す場合、脳組織のわずかな浮腫(むくみ)を捉えられるMRI(特にDWI:拡散強調画像)が必須となります。CTでは発症初期の脳梗塞はほとんど映りません。しかし、バットで殴られたような激痛を伴う「くも膜下出血」や頭部外傷による頭蓋骨骨折、急性硬膜下血腫の場合、出血を瞬時に白く浮き上がらせるCTが第一選択となります。
また、腹部臓器の診断においても使い分けが存在します。広範囲の胃腸、肝臓、胆のう、膵臓、腎臓などを全体的に素早くスクリーニングするなら腹部CTが非常に効果的です。ただし、肝臓の微小な腫瘍の性質を見極めたり、胆管や膵管の走行を詳しく追跡する(MRCP検査)場合には、腹部MRIが極めて高い威力を発揮します。