「うれしい予感」の誕生の背景には、原作者・さくらももこ氏の並々ならぬ情熱がありました。関係者の証言や当時のインタビュー記録によると、大瀧詠一作品の大ファンであったさくら氏が「ちびまる子ちゃんの新主題歌は、どうしても大瀧先生にお願いしたい」と熱烈なオファーを出したことが発端です。
当時、自身のレーベル「ナイアガラ」において極めて厳格なプロデュース姿勢をとっていた大瀧詠一氏でしたが、さくら氏の持つ昭和歌謡へのリスペクトとユーモアセンスに共鳴。アニメソングの制作を快諾しただけでなく、シングル両A面(あるいはOP/ED連動)の構想として、エンディングテーマに昭和のスーパースターである植木等を起用した「針切じいさんのロケンロール」を用意するという破格のプロジェクトへと発展しました。
ボーカルに渡辺満里奈が指名された理由について、大瀧氏は彼女の持つ「気負いのない素直なピッチ」と「日常に溶け込む親しみやすさ」を高く評価していたと伝えられています。おニャン子クラブの会員番号36番としてデビューし、ソロ転向後も洗練されたポップスを歌ってきた彼女のボーカルは、難解な大滝メロディをサラリと歌いこなす絶妙な媒体となったのです。