ラップ塗装の真価が最も発揮されるのは、ボリューム感のある曲面装甲を備えたジオン系・ネオ・ジオン系の機体です。模型展示会やSNSのコンテストでも圧倒的な評価を集める2大代表格が、サザビー作例とシナンジュ作例です。
「RG/MG サザビー」の作例では、広大なシールドや重厚なスカートアーマーに深紅のクリアレッドを重ねたラップ塗装が多用されます。巨大な面構成の中にブラックとシルバーのグラデーションが不規則に走ることで、単調になりがちな大型パーツに圧倒的な情報量と重厚感が付与されます。装甲の分割パネルごとにシルバーの配置密度を変化させ、明暗差を意図的につける手法も上級者の定番です。
一方、「MG シナンジュ」の作例では、ラップ塗装のキャンディレッドと「エングレービング(金色の袖付き意匠)」のコントラストが極上のラグジュアリー感を生み出します。大理石塗装のような深みのある赤の装甲に、エナメル塗料の拭き取り技法で仕上げた鮮やかなゴールドが組み合わさることで、まるで美術館に収蔵された美術工芸品のような気品が漂います。平面主体の連邦系ガンダムタイプでは主張が強くなりすぎるケースでも、こうした曲面主体の機体であればデザインの美しさを極限まで引き立てることができます。