かっぱ寿司の原点は、1979年(昭和54年)8月に長野県長野市西和田でオープンした第1号店にさかのぼります。創業者の徳山光日呂(とくやま あきひろ)氏が立ち上げた「カッパ・クリエイト(創業時は有限会社日呂)」の出発点です。
当時、大阪万博を契機に普及し始めていた回転寿司は、金属製のベルトコンベアを使った設備が一般的でした。しかし、創業時の資金力では高額なコンベア設備を導入することが困難でした。そこで考案されたのが、店内に水路(水流レーン)を張り巡らせ、水流に乗せて寿司を運ぶシステムです。
水路の水面を、寿司を載せた木桶がプカプカと流れていく光景は、当時の来店客にとって非常に新鮮でした。その水面から桶の頭だけを出して流れる様子を見た客や関係者が「まるで河童の頭の皿が流れているようだ」と口にしたことから、親しみを込めて「かっぱ寿司」と命名されました。
つまり、語源となったのは妖怪そのものではなく、「水流レーンに浮かぶ木桶の見立て」という、職人の創意工夫とコスト削減の努力から生まれた偶然の産物だったのです。