事件発生直後から検索プラットフォームやSNS上で爆発的に増加したのが、「浜松市歯科医院はどこか」「歯科医院名を特定した」といった情報発信でした。一部のまとめサイトや個人配信者が、事件現場の住所とされる地番情報やストリートビュー画像を安易に拡散し、大きな混乱を招きました。
しかし、ジャーナリズムの観点から厳格に指摘しなければならないのは、こうした歯科医院名特定の動きに伴う重大な誤情報と風評被害です。浜松市内には数多くの歯科医院が存在しており、現場となった区や町名が報道されただけで、近隣にある全く無関係な同業医院の名前がネット掲示板に書き込まれ、無言電話や嫌がらせの口コミ投稿に晒されるという二次被害が多発しました。
捜査当局が事件現場の住所を詳細な地番まで公表しないのは、プライバシーの保護だけでなく、遺族や近隣住民の生活環境を守り、無関係な第三者への被害拡大を防ぐためです。「ネット上で特定された」とされる情報の多くは、断片的な地理情報と既存の医院リストを強引に結びつけた推測に過ぎず、事実とは異なるデマが多分に含まれていました。