原作第42巻などで描かれた2年後、烏野高校バレーボール部の3年生編において、主将の座に就いたのは影山飛雄でも月島蛍でもなく、山口忠でした。この人選は、連載当時多くの読者を驚かせると同時に、極めて深い納得感を与えました。
主将就任に至った経緯と組織論的な理由は、主に以下の3点に集約されます。
- 圧倒的な「フォロワーシップ」と「傾聴力」:強烈なエゴを持つ天才肌の日向や影山、職人気質で孤高の月島をまとめ上げるには、誰よりも控えの痛みを知り、全体を俯瞰できるバランサーが必要不可欠だった点。
- 澤村大地・縁下力から受け継がれた烏野の系譜:泥臭く土台を支え、崩れそうなチームを精神的に鼓舞するキャプテンシーは、澤村や縁下の姿勢を間近で見つめ続けた山口に最も色濃く受け継がれていた点。
- 自らの力で恐怖を克服した経験:逃げ出した過去を持ち、それを猛練習と勇気で乗り越えた山口の言葉には、エリートにはない「説得力と重み」が宿っていた点。
天才たちを率いるリーダーとして、自らの弱さを知る山口忠がキャプテンマークを胸に刻んだ姿は、烏野高校というチームが単なる個の集まりではなく、成熟した組織へと進化した証左でした。