デビュー初期の1990年代、シングル『CROSS ROAD』や『innocent world』でミリオンセラーを連発していた時代の桜井和寿は、まさに時代のアイコンでした。やや長めの黒髪をなびかせ、憂いを帯びた瞳でカメラを見つめる当時のポートレートには、脆さと狂気を孕んだ唯一無二の少年性が宿っています。当時の音楽雑誌の表紙を飾ったカットは、今見返してもまったく古さを感じさせない鮮烈な引力を持っています。
そして時を経て届けられる近年のステージショット。アリーナやスタジアムの巨大スクリーンに大写しになる横顔は、適度な陰影をたたえ、深みのある大人の男としての凄みを放っています。若い頃の線の細い美しさから、人生の歓喜も葛藤も歌に昇華してきた男ならではの重厚な美しさへ。昔と現在の比較写真を目にしたファンから「昔も今も別ベクトルの最高到達点にいる」と絶賛されるのも納得の進化です。