入れ歯接着剤は日常生活を助ける便利なアイテムですが、常用・連用には潜むデメリットを正しく認識しておく必要があります。
最大のリスクは、「合わなくなった入れ歯を接着剤の厚みで無理やり密着させ続けること」にあります。不適合な義歯を使い続けると、特定の歯槽骨(顎の骨)に不均等な強い圧力が加わり、骨の吸収(痩せ細り)が加速します。その結果、さらに土手が低くなり、将来的に新しい入れ歯を作製する際の難易度が跳ね上がるという悪循環に陥るのです。
【プロの結論】おすすめできる人・慎重になるべき人の判断基準
補綴歯科の専門的観点から導き出される、入れ歯接着剤の適切な判断基準は以下の通りです。
【おすすめできる人(一時的な活用が有効なケース)】
・新調した入れ歯に慣れるまでの過渡期にある方
・体調や口腔内の乾燥(ドライマウス)により一時的に吸着力が落ちている方
・冠婚葬祭や長時間のスピーチ、特別な会食など、絶対に外れてほしくないイベントを控えている方
【使用を慎重にすべき人(即座に歯科受診が必要なケース)】
・接着剤を大量に塗らないと保持できないほどガタつきが大きい方
・装着すると歯ぐきに強い痛みや潰瘍(口内炎)が生じる方
・3ヶ月以上、歯科医院での裏打ち(リライン・リベース)や噛み合わせ調整を受けていない方