※ここからは物語の核心に触れる内容を含みます。未読の方はご注意ください。
タウ・セティに到達したグレースとロッキーは、アストロファージの天敵となる捕食微生物「タウメバ」の採取に成功します。それぞれの母星を救うため、採取したサンプルを携えて地球とエリドへと別れて帰還する道を選び、2人は固い友情を確かめ合って別れを告げました。
しかし地球へ向かう帰路の途中、グレースは重大な計算ミスに気づきます。タウメバを保管するエリド船の素材がタウメバを透過させてしまう性質を持ち、ロッキーが母星に辿り着く前に全滅してしまう危機に瀕していることを知るのです。自らの船に残された食料はわずかで、ロッキーを助けに戻れば地球へ帰還する燃料も食料も失い、確実な死を意味していました。
グレースが下した決断は、地球への帰還を諦め、友を救うために宇宙船を反転させることでした。無人探査ポッドに地球救済のためのデータとタウメバを載せて地球へ送り出し、自身はロッキーの船へ急行して見事に友の命を救います。
物語の結末、地球では無事に太陽の輝きが戻り人類が生き延びたことが遠方の観測によって示唆されます。そしてグレース自身は、エリド星のドーム環境の中で異星人の子どもたちに科学を教える教師として、充実した新たな人生を歩んでいました。科学への信頼と他者への利他精神が生んだこのラストシーンは、SF史上に残る屈指のハッピーエンドとして深い感動を与えています。