地方自治体の議会(一院制)と異なり、なぜ国の最高機関である国会は二院制を採用し続けているのか。制度の功罪を整理すると、現代の議会制民主主義が抱えるジレンマが浮き彫りになります。
【二院制の主なメリット】
・慎重な審議による法律の完成度向上: 衆議院で可決された法案を参議院が別角度から再検証することで、法案の欠陥や見落としを修正できます。
・多様な民意の吸い上げ: 衆議院の小選挙区制(大政党が勝ちやすい)と、参議院の大選挙区・非拘束名簿式比例代表制(専門家や多様な職種の意見が反映されやすい)を組み合わせることで、国民の幅広い声を政策に反映できます。
・多数派の暴走抑止: 一院の単独与党による強引な採決に対し、第二院がブレーキ役として機能します。
【二院制の主なデメリット】
・政策決定スピードの低下: 同じ法案を2度審議するため、法改正や予算執行までに時間がかかります。
・莫大な維持コスト: 議員歳費、秘書給与、議事堂維持費など、議員定数が倍近くになる分の税金負担が発生します。
・政治的膠着(デッドロック): 両院の多数派が分かれた場合、国政が完全にストップするリスクを孕んでいます。