日本人のソウルフードである「おにぎり」が、フレンチや鮨と並びミシュランガイドに掲載された出来事は、飲食業界に大きな衝撃を与えました。その先駆者となったのが浅草宿六です。三代目店主・三浦洋介氏が率いる同店が世界水準の評価を獲得し続ける背景には、徹底した素材選びと緻密な技術計算が存在します。
米は毎年全国各地の銘柄を吟味し、粘り・甘み・硬さのバランスを追求した単一原料米を厳選。合わせる海苔は、歯切れと豊かな磯の香りを両立させる東京湾・三番瀬をはじめとする上質な江戸前海苔を使用しています。さらに、最も特筆すべきは「握り方」です。
店主の三浦氏がメディアやインタビューで語る通り、宿六のおにぎりは「米粒を押し固める」のではなく、「米粒同士の間に空気を含ませ、海苔で包んで輪郭を整える」技法で作られます。口に含んだ瞬間に米粒がハラリとほどけ、炊きたての湯気とともに具材の旨味が広がる――この唯一無二の食感こそが、審査員や食通たちを唸らせる最大の要因です。