ネット上のまとめやSNSのコメント欄で頻繁に見落とされている重大な盲点があります。それが「税金と諸経費による巨額の目減り」です。「1億ドル=150億円をそのまま丸ごと手に入れた」と錯覚しがちですが、現実は過酷な課税システムが待ち受けています。
1億ドル 税金 手取り額の実態を、アスリートの報酬契約と海外宝くじの2つのケースで検証してみましょう。
1. 米国でプレーするプロアスリートの場合
米国で得た報酬には、連邦所得税(最高税率37%)が課されます。さらにカリフォルニア州などの高課税州に本拠地を置く球団に所属する場合、州所得税(最高約13.3%)が上乗せされ、所得税率の合算だけで約50%に達します。加えて、代理人に支払うエージェント手数料(契約の3〜5%)やマネジメント料が発生するため、実際に本人の手元に残る手取り額は契約額面の40%〜45%前後まで削られます。
つまり、1億ドル(約152億円)の契約を獲得しても、手元に残る可処分所得は約4,000万〜4,500万ドル(約60億〜68億円)程度となる計算です。
2. 海外メガ宝くじで1億ドルが当選した場合
海外宝くじの看板表示「100 Million Dollars!」には、さらに強烈なカラクリが存在します。表示されている金額は通常「30年間の分割払い(年金方式)」を選択した場合の総支払額です。
多くの当選者が選ぶ「一括受け取り(Lump-sum)」を選択すると、即座に額面は約5,000万ドル前後(約半額)へディスカウントされます。そこから連邦税(初期源泉徴収24%+確定申告で最高37%へ調整)と州税(約8%〜10%)が控除されるため、最終的な口座振込額は2,500万〜3,000万ドル(約38億〜45億円)にとどまります。150億円当選したはずが、手取りは3分の1以下になるのが米国の冷徹なマネーシステムです。