NPBに所属する12球団には、支配下登録選手の上限を70名とする厳格な規定が存在します。秋のドラフト会議で毎年各球団が支配下選手を5名から8名程度指名し、新外国人を補強するためには、必然的に同等以上の選手をロースターから外さなければなりません。この構造的必然性が、毎秋繰り返される戦力外通告の根底にある冷厳な算術です。
通告の時期は日本プロ野球組織の取り決めにより、レギュラーシーズン終了直後から始まる第一次戦力外通告期間と、クライマックスシリーズ(CS)終了翌日から日本シリーズ終了翌日までの第二次戦力外通告期間の2回に分かれています。CSや日本シリーズに進出した球団は、ポストシーズンの終了を待って第二次の通告を一気に発表するスケジュールが定着しています。
2026年シーズンの傾向を分析すると、セ・パ両リーグともに20代中盤から後半の「伸び悩み層」に対する見切りが極めて早くなっている点が際立ちます。かつては高卒選手に5年から6年の育成猶予が与えられていましたが、現在は二軍でのOPS(出塁率+長打率)や投手の奪三振率、球速データといったトラッキングデータがシビアに査定され、3年目から4年目の段階で育成枠への降格打診、あるいは完全な自由契約が通告されるケースが増加しました。
報道関係者や球団幹部への取材によると、特に30代に差し掛かった年俸5000万円前後の選手は、成績が横ばいであっても「コストパフォーマンスと若手への出場機会の譲渡」という観点から、真っ先にリストアップされる傾向が強まっています。ファンにとっては突然の発表に見える出来事も、球団の編成会議においては緻密に計算された人員整理の一環として冷徹に進められているのが現場の偽らざる実態です。