民放キー局のアナウンサーが不祥事を起こした場合、早期にフリーへ転身してYouTubeやネット配信、他メディアへ進出するケースが目立ちます。そのため、「阿部アナも退局してフリーとして復帰するのではないか」と考えられがちですが、ここにはNHK特有の組織構造と年代による盲点が存在します。
第一の盲点は、NHK正規職員の退職金および年金制度の手厚さです。長年勤め上げ、局次長級まで登り詰めた職員が定年間近で自主退職することは、生涯賃金や退職手当の観点から合理的ではありません。あえてリスクを冒してフリー市場へ出るメリットが極めて少ないのです。
第二に、民放テレビ局やスポンサー企業のリスク回避姿勢です。コンプライアンス順守がかつてないほど厳格化された現代の放送業界において、女性問題で世間を騒がせた元アナウンサーを起用することは、スポンサー離れを招くリスクを孕んでいます。ナレーションやラジオを含め、全国ネットの番組で起用される見通しは極めて立ちにくいのが現実です。