優れた言語表現の宝庫といえば、映像翻訳や出版の最前線だ。たとえばNetflixの海外ドラマで使われる気の利いた字幕には、異文化のジョークを日本の文脈に置き換えた「言い得て妙」な名訳が溢れている。限られた文字数の中で視聴者の感情を揺さぶる技術は、まさに現代のコミュニケーション論の真骨頂といえる。
出版業界に目を向けても、爆発的なヒットを記録する新書やビジネス書は、タイトル自体が「言い得て妙」な構造を持っている。読者が日頃ぼんやりと感じていた違和感を、シャープな言葉で切り取って見せること。それこそが、情報過多の時代に読者の指を止めさせる最大のトリガーとなる。