松田聖子『風立ちぬ』誕生秘話!大滝詠一×松本隆が遺した奇跡の真実

松田聖子『風立ちぬ』誕生秘話!大滝詠一×松本隆が遺した奇跡の真実

松田聖子『風立ちぬ』誕生秘話!大滝詠一×松本隆が遺した奇跡の真実の重要ポイントを解説します。専門的な知識がチェックできます。

『風立ちぬ』というタイトルの元ネタは、作家・堀辰雄が1930年代に発表した同名の中編小説にあります。小説の冒頭に掲げられたポール・ヴァレリーの詩「風立ちぬ、いざ生きめやも(Le vent se lève, il faut tenter de vivre)」にインスパイアされた松本隆は、晩夏から初秋へと移ろう季節の叙景と、少女の胸に宿る失恋の痛手、そしてそこから前を向いて歩き出そうとする決意を見事に描き出しました。

作詞において松本隆が徹底したのは、「失恋をただ悲しむのではなく、品格を持って受け止める女性像」の構築です。歌詞に登場する「草の葉 噛みしめれば」「さよならと言葉にすれば すみれ色」といった研ぎ澄まされたフレーズは、従来の情念的な歌謡詞とは一線を画す文学性を誇っています。別れの痛みを引きずりながらも「生きよう」とする意志を宿した歌詞は、聴き手の内面に鮮烈な情景を喚起させました。

当時、松本隆はインタビューや対談において「聖子さんの声には、どんなに切ない言葉を歌わせても湿っぽくならず、どこか凛とした光が差す特異な乾きがある」と述べています。文芸小説のモチーフと松本隆の美学、そして松田聖子という不世出の表現者が出会ったからこそ、この詩は単なる失恋ソングを超えて普遍的な命の輝きを獲得するに至りました。

石川 優花
著者

石川 優花

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。