「お願いしたく存じます」は目上に失礼?敬語の罠と決定的な言い換え術

「お願いしたく存じます」は目上に失礼?敬語の罠と決定的な言い換え術

「お願いしたく存じます」は目上に失礼?敬語の罠と決定的な言い換え術に関する質問を丁寧にまとめました。詳細な解説をご覧ください。

敬語の使い分けを曖昧にしたままでは、知らず知らずのうちに相手へ失礼を重ねてしまいます。ここで一度、文化庁の『敬語の指針』でも整理されている「謙譲語Ⅰ」と「丁重語(謙譲語Ⅱ)」の明確な違いを整理しておく必要があります。

文化庁の分類において、両者は以下のように定義されています。

【謙譲語Ⅰ】自分の側の行為を低め、その行為が向かう相手(客体)を高めて敬意を示す表現。「申し上げる」「差し上げる」「伺う」などが該当します。
【丁重語(謙譲語Ⅱ)】相手とは直接関係なく、自分の行為や状態を改まった丁寧な言葉遣いで述べることで、話を聞いている相手全般に対して丁重さを示す表現。「存じる」「参る」「申す」「いたす」などが該当します。

この2つの違いを把握すると、「お願いしたく存じますとお願い申し上げますの違い」が鮮明になります。

「お願い申し上げます」は、「願う」という行為を謙譲語Ⅰ「申し上げる」でへりくだらせており、敬意のベクトルが明確に相手へ向かっています。一方で「お願いしたく存じます」は、「思う」を丁重語「存じます」に変えているだけであるため、敬意が相手の存在そのものへ向かわず、単に「改まった口調で自己の願望を語る」という歪な構図を生み出してしまうのです。

石川 優花
著者

石川 優花

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。