岩城滉一の原点として語り継がれるのが、1974年に結成された伝説のモーターサイクルチーム「クールス(COOLS)」です。黒い革ジャンにリーゼント、駆るマシンは漆黒のハーレーダビッドソンやカワサキ・Z2。当時、原宿の表参道を拠点に集った21人の若者たちは、既存の暴走族とは一線を画す洗練されたアメリカン・ロックスタイルを確立し、瞬く間に若者カルチャーのアイコンへと上り詰めました。
クールスのリーダー(団長)を務めたのが後に名優となる舘ひろしであり、副団長としてチームを牽引したのが岩城滉一でした。二人は原宿の街で並び立つカリスマとして圧倒的なオーラを放ち、ロックバンド「キャロル(CAROL)」の矢沢永吉からの直々の依頼により、解散コンサートで親衛隊を務めたエピソードは今や伝説的です。
当時の様子について、当時の関係者やストリートカルチャーの記録はこう証言しています。原宿に彼らがバイクで現れるだけで人だかりができ、カメラを持った若者が押し寄せる社会現象となりました。バンド結成へと舵を切った舘ひろしら音楽班とは対照的に、岩城滉一は「自分は音楽をやるつもりはない」と一線を画し、単身で映画界からの熱烈なオファーに応える道を選びます。