極限状態のなかで互いに奇妙な友情と連帯感を育みつつ、同時に相手の死を待つしかない少年たち。彼らの個性豊かなキャラクター造形が物語に深い人間味と絶望をもたらしています。
物語の視点人物であるレイ・ガラティは、メイン州出身の平凡な16歳の少年。母親の制止を振り切って参加した彼は、過酷な疲労のなかで自分自身が歩く理由を見失い、精神的に追い詰められていきます。
ガラティと深い友情で結ばれるのが、冷笑的でありながら義理堅いピーター・マクヴリーズです。心に深い傷を抱え、どこか自暴自棄な一面を見せながらも、倒れそうになるガラティを幾度となく叱咤激励して支え続けます。さらに、どこまでも無表情でペースを崩さず、常に集団の後方を歩き続ける謎めいた孤高の少年ステビンスは、物語の鍵を握る重要な存在として異彩を放ちます。
その他にも、傲慢な態度で周囲から反感を買うバーコヴィッチ、身体の限界に達しながらも意地を見せるオルソン、陽気なムードメーカーのベーカーなど、多彩な少年たちがそれぞれの背景を背負って行進に挑みます。