館内の空気が一変したのは、やはり役力士が登場する終盤戦だ。横綱・照ノ富士春雄は、立ち合いから鋭く踏み込む相手の出足をどっしりと受け止めた。重厚な圧力をかけながら万全の体勢を築き、土俵中央で相手の反撃の芽を摘む盤石の取り口を見せつけた。怪我と闘い続けながらも土俵に君臨し続ける絶対王者の気迫が、力強い決まり手とともに館内を圧倒した。
一方、大関陣も黙ってはいない。豊昇龍智勝は持ち前のスピードと鋭い立ち合いで果敢に前へ出た。相手の引き技にも動じることなく、研ぎ澄まされた体幹で土俵際をしのぎ、瞬発力あふれる技で白星を手繰り寄せた。激しい攻防のなかで見せた勝負勘の鋭さは、上位陣としての意地を強烈に印象づけるものだった。
さらに、大関・琴櫻将傑の土俵も見応え十分だった。立ち合いの重みで相手の体を起こし、力強いおっつけから一気に土俵際へ追い詰める相撲を披露。安定した腰の重さと盤石の寄り身は、連日館内を沸かせる大相撲の醍醐味そのものだ。上位陣が意地と誇りを激突させた本日の取組は、今場所の流れを左右する重要な一日となった。