「モノレール=近未来的な都市高速交通」というパブリックイメージからか、乗り慣れていない旅行者や転入者の間では「モノレールの方が直線的に結ばれていて速いのではないか」という誤解が根強く残っています。しかし、路線図を俯瞰すれば、この所要時間差が生じる構造的理由が明白になります。
JR総武本線は、千葉駅から都賀駅間を北東方向へ向かってほぼ一直線のレールで結んでいます。途中に存在する駅は東千葉駅の1駅のみであり、最高時速90km〜100km超の高速走行で駆け抜けます。
一方の千葉都市モノレール2号線は、千葉駅を出発したのち、千葉公園、作草部、天台、穴川、スポーツセンター、動物公園、みつわ台と、若葉区・稲毛区の住宅街や公共施設を縫うように大きく北側へ弧を描いて迂回するルーティングを採用しています。途中駅は実に7駅にも及び、駅間距離が短いため最高速度も控えめに設定されています。懸垂型モノレール特有のカーブ通過速度の制約も重なり、物理的に11分以上の時間を要する設計となっているわけです。
この迂回ルートは、千葉市北部の公共交通空白地帯を結ぶという都市計画上の重要な使命を果たしている証左でもあります。単なる「千葉〜都賀間の短絡輸送」として見れば非効率であるものの、沿線住民の足としては不可欠な毛細血管として機能しています。