家庭菜園愛好家が集うオンラインコミュニティや知恵袋、農業系SNSの投稿を網羅的に検証すると、毎年6月中旬から下旬にかけて全く同じ悲痛な叫びが溢れかえります。その大半は、「収穫遅れのリスクと腐敗」に関する切実な失敗談です。
「そろそろ収穫時期だと思っていたが、忙しくて週末まで放置していたら梅雨入りしてしまった。雨上がりに慌てて掘り出したら、土の中で半分以上がドロドロに溶けて異臭を放っていた」「少しでもイモを大きくしたくて粘っていたら、長雨で皮がふやけ、収穫後わずか3日でカビだらけになった」という報告が後を絶ちません。現場取材でも、ベテラン農家ほど「迷ったら天気の良いうちに早めに掘れ」と口を揃えます。
収穫において絶対に譲ってはならないのが、収穫に適した天気と土の乾燥という自然条件です。理想は「晴天が2〜3日連続して続き、畝の土がしっかりと乾いている日の午前中」です。湿った重い泥土の中で無理にスコップを入れると、イモの表面を傷つける確率が跳ね上がります。水分を過剰に含んだ状態で収穫されたイモは、細胞組織の浸透圧が不安定なうえ、付着した泥に含まれる土壌病原菌が傷口から侵入し、保存期間中に軟腐病や疫病を爆発的に広げる要因となります。