十一面観音の顔とご利益を徹底解明|背後で笑う暴悪大笑面の驚くべき真相

十一面観音の顔とご利益を徹底解明|背後で笑う暴悪大笑面の驚くべき真相

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日本全国の寺院に数多く伝わる仏像のなかで、十一面観音はどのように見分ければよいのか。最大の特徴は、左手に「水瓶(すいびょう)」または「蓮華を挿した瓶」を持ち、右手は手のひらを正面に向けて垂下する「与願印(よがんいん)」を結ぶ姿です。

ただし、奈良の長谷寺を開山とするグループでは、右手に地蔵菩薩のような錫杖(しゃくじょう)を持ち、四角い大盤石の上に立つ独自の姿をとります。これを専門用語で「長谷寺式十一面観音」と呼び、観音の慈悲と地蔵の救済力を併せ持つ強力な尊格として全国に広まりました。

寺院名(所在地)文化財指定 / 像高 / 時代造形様式・特徴編集部の見どころ解説聖林寺(奈良県桜井市)国宝 / 209.1cm / 奈良時代末期(8世紀)木心乾漆造。天平彫刻の到達点。均整のとれた肉体美。フェノロサが絶賛し秘仏から開帳させた名宝。威厳と慈愛が共存。向源寺(渡岸寺観音堂 / 滋賀県長浜市)国宝 / 194.0cm / 平安時代初期(9世紀)木造(一木造)。インド・西域風の妖艶な腰のひねり。お堂の中央に安置され、背面の「暴悪大笑面」を至近距離で拝観可能。長谷寺(奈良県桜井市)重要文化財 / 1018.0cm / 室町時代(1538年再興)木造寄せ木造。右手に錫杖を持つ「長谷寺式」の根本本尊。10メートルを超える巨像。特別拝観では御足に直接触れて祈願できる。室生寺(奈良県宇陀市)国宝 / 196.2cm / 平安時代初期(9世紀)木造(一木造)。翻波式(ほんぱしき)衣文の優美な彫法。金堂に安置(現在は寶物殿等で展示)。ふくよかな頬と静謐な佇まい。六波羅蜜寺(京都府京都市)国宝 / 像高非公開 / 平安時代(10世紀)空也上人が疫病退散を祈願して自ら刻んだと伝わる秘仏。辰年にのみ開帳される厳格な秘仏。京都の疫病鎮撫史の象徴。
阿部 裕樹
著者

阿部 裕樹

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。