観光客で賑わうメインストリートから一歩足を踏み入れれば、そこはディープな裏路地の世界だ。
有名な中華街である南京町のエネルギッシュな喧騒から少し離れた細い路地には、看板を出さない隠れ家バーや、店主こだわりの焙煎珈琲を提供する小さなカフェが点在する。一般的なグルメ・タウンガイドには決して載らないこれらの穴場は、地元の人々が密かに通い詰める憩いの場だ。
「本当に美味しいスープカレーを食べるなら、あの路地の2階だよ」。地元紙の記者が教えてくれたのは、築50年以上の木造長屋をリノベーションした隠れ家だった。一見すると普通の住宅にしか見えない入口をくぐると、スパイスの芳醇な香りが鼻腔をくすぐる。これぞ元町の醍醐味と言えるだろう。