長年、日本のテレビ業界を牽引してきた「世帯視聴率」の看板が降ろされて久しい。2026年現在、制作陣やスポンサーが最も注視しているのは、視聴者がどれだけ深く作品に没入したかを示す「熱量データ」だ。見逃し配信プラットフォームでの再生完了率や、放送中・放送後の倍速再生を行わない「等倍視聴率」、さらには関連ポストの拡散速度などが精緻にスコア化されている。
この変化によって、これまで「一部のマニア向け」と切り捨てられがちだったエッジの効いたサスペンスや、重厚なヒューマンドラマがランキングの上位へ躍り出るケースが急増した。万人受けを狙って展開をマイルドにするよりも、特定のターゲットに突き刺さる強烈な個性を打ち出した作品の方が、結果としてSNSでのクチコミを生み、爆発的なロングヒットへ繋がるからだ。