なぜ家庭で作る氷は白く濁ってしまうのでしょうか。その主原因は、水の中に溶け込んでいる「溶存空気(微細な気泡)」と「カルキやミネラルなどの微量成分」にあります。
水は純粋な分子から先に凍り始め、不純物や気泡を後から凍る部分へと押し出す性質を持っています。家庭の冷凍庫に製氷皿を入れると、外側(上下左右)から急速に冷やされて凍結が進むため、逃げ場を失った空気やミネラルが最後に凍る中心部に閉じ込められ、光を乱反射して白く見えてしまうのです。
高級BARなどで使われる透明な氷は、マイナス10度前後の緩やかな温度管理のもと、水を攪拌しながら気泡を逃がし、48時間以上かけてじっくり凍らせた「純氷」から職人が削り出しています。家庭で透明な氷を目指すには、この「空気の除去」と「ゆっくり凍らせる(緩慢冷却)」環境をいかに再現するかが成否の分かれ目となります。