多才な活動で知られる内田春菊は、大腸がんの治療に伴いストーマを装着した経験を、自らの漫画作品や闘病記として発表した。彼女の作品が画期的だったのは、排泄という人間の尊厳に関わるデリケートな問題を、ユーモアと冷徹な観察眼を交えて軽やかに描いてみせた点だ。
手術後の戸惑い、装具のトラブル、服選びの苦労、そしてパートナーとの関係――。内田春菊の手によって開示されたリアルな日常は、ストーマに対するおどろおどろしいイメージをあっけらかんと吹き飛ばした。彼女の作品を読んだ多くのオストメイトから「生きる自信が湧いた」「悩んでいたのは自分だけじゃないと救われた」との声が相次いだのも頷ける。