『家庭教師ヒットマンREBORN!』のクライマックスにおいて、読者が最も注目したのは「ツナが最終的にボンゴレファミリーの10代目ボスに就任したのか」という点だ。宿敵・復讐者(ヴィンディチェ)との死闘を経て、赤ん坊の家庭教師・リボーンから突きつけられた最後の選択に対し、ツナは「ボンゴレファミリーをぶっ壊す」という一見衝撃的な答えを提示した。
これはマフィアの力による支配や負の歴史を拒絶し、大切な仲間を守るための自主性を宣言した瞬間だった。九代目ボス・ティモテオはその意志を尊重し、従来の恐怖政治的なボスではなく、組織の始祖である初代(プリーモ)ジョットが抱いていた「警護団」としての原点に立ち返る存在――すなわち「第10代ネオ・ボンゴレ・プリーモ」としての誕生を承認する。ボスという称号をそのまま受け入れるのではなく、自らの信念で歴史を書き換えたのだ。
しかし、最終話のラストシーンでは、リボーンが再びツナのもとへ現れ、「ネオ・ボンゴレ・プリーモになるための家庭教師」として修行の再開を告げる。ダメツナからの劇的な成長を見せつつも、日常のコメディラインへ回帰する仕掛けは、原作者・天野明による極めて高度な叙述トリックであり、永遠の青春を描き切る美学の表れであった。