介護と仕事に追われる鬱屈とした日々の中、彼女の脳裏に浮かんだのは、幼い頃に両親を笑わせようと必死に演じた変顔やコントの記憶だった。「どんなに辛い時でも、人を笑わせている時間だけは現実の苦しみから逃れられた」。そう気づいた彼女は、29歳というお笑い芸人としては決して若くない年齢で上京を果たす。
大手芸能プロダクションである松竹芸能のタレント養成所に飛び込んだ彼女は、背水の陣で芸を磨いた。両親を失った悲しみ、介護の疲弊、そして将来への不安。すべてをエネルギーに変えて舞台に立ち続けた結果、独特の視点から繰り出されるインパクト抜群の芸風が芽を開くことになる。