なべおさみという人物は、日本のエンターテインメント史においても極めて異色の存在だ。コメディアンとしての顔を持ちながら、裏では政界のフィクサーや大物女優たちの密接なカウンセラーとして暗躍してきた歴史がある。
彼が唱える「手かざし」や「施術」の力に対しては当然ながら賛否両論が存在する。だが、相手が誰であれ素早く懐に入り込み、圧倒的な自信と独特の語り口で心の壁を解きほぐす天性のコミュニケーション能力があったことは疑いようがない。極限状態に追い詰められた人間がその言葉に耳を傾けた心理は、決して異端なものではなかった。