ただ眺めて写真を撮るだけの観光は、もう過去のものになりつつある。現場で今最も活気を見せているのは、広大な圃場を活かした体験型の農業コンテンツだ。来園者が自らの手で花を摘み取り、その場でブーケに仕立てるワークショップや、早朝の朝露が残る時間帯だけ開放されるヨガセッションなどが即日完売を記録している。
過疎化に悩む地方自治体にとっても、こうした巨大な集客力を持つ農園の存在は希望の光だ。周辺の温泉街や道の駅への回遊効果は絶大で、宿泊施設からは「週末の予約が3カ月先まで埋まっている」という悲鳴にも似た喜びの声が聞こえてくる。観光と農業の境目をなくす試みが、地域経済に確かな血液を巡らせている。