インターネット上の古い料理情報では「生クリームは油分が分離するため冷凍厳禁」と語られるケースが散見されます。しかし、現代のフードコーディネーターやパティシエの間では、余った生クリームの冷凍保存は常識的なテクニックとして確立されています。パックのまま凍らせると解凍時にボロボロの油分と水分に分かれてしまいますが、用途に合わせた適切な前処理を行えば、約3〜4週間にわたって風味を損なわずにストックできます。
家庭で失敗なく実践できる冷凍アプローチは、以下の2つの方法に集約されます。
① ホイップ状態にして急速冷凍(スイーツ・カフェ用途)
余った生クリームに大さじ1〜2程度の砂糖を加え、泡立て器やハンドミキサーで8分立て〜9分立てまでしっかりホイップします。クッキングシートを敷いたバットの上にスプーンや絞り袋で一口サイズずつ絞り出し、そのまま冷凍庫へ投入します。完全に凍結した段階で剥がし、ジッパー付き密閉保存袋に移し替えて冷凍保管します。温かいコーヒーや紅茶に浮かべれば贅沢なウインナーコーヒーが即座に完成し、パンケーキやトーストのトッピングとしても自然解凍なしでそのまま添えるだけで極上の口溶けを楽しめます。
② 未泡立てのまま小分け密閉冷凍(加熱調理・おかず用途)
泡立てていない液状の生クリームが余っている場合は、製氷皿に大さじ1〜2(約15〜30ml)ずつ流し込んで凍らせるか、小型のフリーザーバッグに薄く平らに流し込んで冷凍します。平らに凍らせた生クリームは、必要な分だけ手でパキッと割って使えるため計量の手間も省けます。液状で凍らせたものは解凍しても元のなめらかなホイップには戻りませんが、後述するシチューやパスタ、カレーなどの加熱調理には全く問題なく使用可能です。