SNSや知恵袋などのコミュニティでは、「ニキビ跡のケロイドはオロナインやヘパリン類似物質で治る」「数年待てば自然治癒する」といった体験談が散見されます。しかし、臨床皮膚科の専門医らはこうした俗説に警鐘を鳴らしています。
結論から述べると、ニキビ跡にできたケロイドの自然治癒を期待するのは医学的に非現実的です。軽度の肥厚性瘢痕であれば数年から十数年の歳月をかけて赤みが退色し、多少平坦化する事例も報告されていますが、真性ケロイドは放置するとむしろ拡大し、周囲の正常な毛細血管や神経を巻き込みながら増殖を続けます。
また、ニキビ跡のケロイドに対する市販薬(ヘパリン類似物質や市販の軟膏)は、皮膚表面の保湿や角質柔軟化には寄与するものの、真皮深部で暴走しているコラーゲンの過剰増殖を止める抗炎症作用は持っていません。さらに危険なのは、ネット上の誤情報に惑わされて患部を爪で潰したり、強引にマッサージしたりする行為です。これらは物理的な微小外傷となって線維芽細胞を再活性化させ、ニキビ跡のケロイドを急激に悪化させる直接的な原因となります。