インターネットの動画サイトやSNS上では、「ビニール傘の先端金具を使ってリング錠を開ける裏技」や「マイナスドライバーを差し込んで強引に回す方法」といった情報が散見されます。しかし、これらの情報には重大な落とし穴が存在します。
まず構造上の問題として、近年の自転車に標準装備されているシリンダー式リング錠やディンプルキータイプは、不正開錠対策(ピッキング防止ピン等)が施されており、傘の金具やヘアピン程度で開くことはほぼ不可能です。旧式の簡易的なプレスキー(板鍵)タイプであれば開くケースもありますが、無理に異物を差し込むと鍵穴の内部で部品が破損し、二度と鍵が動かなくなる事故が多発しています。
さらに見落とされがちなのが、社会的なリスク(盗難容疑での職務質問・通報)です。街頭や駐輪場で自転車の鍵をごちゃごちゃといじったり、工具で力任せに破壊しようとする行為は、通行人から見れば「明らかな自転車窃盗(窃盗未遂)」に映ります。たとえ本人の所有物であっても、その場で防犯登録番号や身分証を提示できなければ、交番まで任意同行を求められ長時間の事情聴取を受ける事態になりかねません。