旧多二福という男を理解する上で外せないのが、彼が使い分けた複数の「仮面」と複雑な出自です。物語序盤では、CCGの上等捜査官・キジマ式に従う気弱で頼りない一等捜査官として登場しました。しかし、その正体はCCGを牛耳る和修一族の分家であり、喰種捜査官を養成する隔離施設「白日庭(はくびてい)」で生まれ育った和修常吉の落胤(半人間)でした。
半人間は人間離れした驚異的な身体能力と反射神経を持つ反面、細胞のテロメアが短く「30歳前後で寿命を迎える」という過酷な短命の宿命を背負っています。この不条理な出自こそが、旧多の根源的な虚無感と破壊衝動の引き金となりました。
旧多は裏社会において、謎のピエロ集団「クラウン」の幹部「宗太(PG)」として活動していました。第1部『東京喰種』の第1話で金木研の人生を狂わせた「鉄骨落下事件」を起こした張本人こそ、この宗太こと旧多二福です。さらに嘉納明博医師と結託して「人工喰種化実験」を推し進め、喰種レストランの解体屋(スクラッパー)としても関与していました。
そして物語後半、和修一族の本家を皆殺しにするクーデターを決行。自ら「和修吉福(わしゅう きちむら)」を名乗ってCCG第24代総議長兼局長に君臨し、CCGの組織構造そのものを私物化して喰種殲滅の狂宴を指揮していきました。