フリージアの花言葉が「親愛の情」「友情」「信頼」といった温かな感情を軸に据えている根拠は、19世紀の植物学史に刻まれた心温まるエピソードに由来します。
1830年頃、南アフリカ・ケープ地方で植物採取の調査を行っていたデンマークの植物学者クリスチャン・フリードリヒ・エクロン(Christian Friedrich Ecklon)は、岩場に凛と咲く未記載のアヤメ科植物を発見しました。新種の植物を発見した際、自らの名前を冠して命名する学者が多い中、エクロンは生涯の親友であり、自身の研究活動を経済的・精神的に支え続けたドイツの医師・植物学者フリードリヒ・フレーゼ(Friedrich Heinrich Theodor Freese)に敬意を表し、彼の名をとって「Freesia(フリージア)」と名付けたのです。
互いの才能を認め合い、生涯にわたって無私・無償の友情を貫いた二人の科学者の絆。この史実こそが、ヨーロッパから世界へと広がる過程で「友情(Friendship)」「信頼(Trust)」「無邪気な親愛(Innocence)」という英語圏共通の花言葉として定着した決定的な起源です。
英語圏におけるフリージアの花言葉も「trust(信頼)」「innocence(純潔・あどけなさ)」「friendship(友情)」が主流であり、国際的に見てもポジティブで清らかな人間関係を象徴する花として揺るぎない地位を確立しています。