2021年11月24日、テレビ朝日および所属事務所から発表された「反町隆史、『相棒 season20』をもって卒業」の一報は、テレビ業界と視聴者に大きな衝撃を与えました。発表の直後から、ネット上では「制作陣との方向性の不一致ではないか」「実質的な降板劇だったのではないか」といった様々な憶測が飛び交いました。しかし、報道各社の取材データや本人の公の場でのコメントを精査すると、そこにはネガティブな理由は一切存在しませんでした。
反町隆史自身が後に特番インタビューなどで明かしたところによると、卒業への想いは突発的なものではなく、40代という俳優人生の黄金期を『相棒』に捧げ尽くしたという充実感が根底にありました。2015年、41歳で冠城亘役を引き受けた際、反町は「やるからには中途半端な気持ちでは臨まない」と覚悟を決めて撮影に突入しました。そして7シーズン目を迎え、年齢的にも40代後半から50代の大台が見えてきた段階で、自らプロデューサーや主演の水谷豊に「一区切りをつけたい」と申し出たのです。
週刊誌やエンタメメディアでは、反町の趣味である琵琶湖でのバスフィッシング熱が高じたことや、体調面への懸念などが取り沙汰されたこともありました。しかし実際の舞台裏は、「ひとつの役に甘えることなく、俳優として新たな領域に挑戦したい」という純粋な表現者としての渇望と、それを温かく受け止めた制作陣による、極めて円満かつ前向きな決断でした。