パーマを失敗した際、ネット上の掲示板やSNSで即座に検索されるのが「当日にシャンプーをして落とす」という手法です。美容師から「今日は髪を洗わないでください」と言われる理由を逆手に取り、洗髪によって薬剤の定着を阻害しようとする試みですが、毛髪化学の視点から見るとこの行動には決定的な誤解が含まれています。
現代のパーマ施術は、還元剤で毛髪内のシスチン結合(S-S結合)を切断し、ロッドで形状を作った後、酸化剤(2剤)によって再結合を完了させています。シャンプーを施したとしても、すでに再結合した内部構造が元の直毛に戻ることはありません。わずかに落ちたように感じるのは、髪表面に残存していたスタイリング剤やコーティングが流され、一時的にカールがダレただけです。むしろ、施術直後のデリケートなキューティクルを過剰な摩擦で傷つけ、パサつきを深刻化させる結果に終わります。
どうしても自宅でカールの主張を抑えたい場合、安全にパーマをゆるくする方法としてドライヤーによるテンションブローが有効です。髪が濡れている状態(水素結合が切れている状態)から、指先やロールブラシで毛先を優しく下方向に引っ張りながら温風を当て、最後に冷風で形状を固定します。これにより、薬剤による化学的ダメージを一切追加することなく、物理的な水素結合の再配列によって翌朝のボリュームを一時的に落ち着かせることが可能です。