平面上の作図にとどまらず、入試の後半で合否を分けるのが座標平面上の計算問題だ。古代ギリシャのユークリッドが体系化した純粋幾何学に、17世紀の哲学者ルネ・デカルトが「直交座標系」を持ち込んだことで、図形の動きはすべて数式へと翻訳できるようになった。中学数学の難問も、この座標変換の視点を取り入れた瞬間に霧が晴れる。
原点$(0, 0)$を中心とする点対称移動であれば、点$(x, y)$は単純に符号が逆転して$(-x, -y)$へと着地する。ここまでは誰もが知る基本だ。しかし、任意の点$(a, b)$を中心とする点対称移動が出題された途端、正答率は一気に急落する。ここで威力を発揮するのが、中点公式から導かれる変換公式である。
移動前の座標を$(x, y)$、移動後の座標を$(x', y')$、対称の中心を$(a, b)$とおくと、中心が中点となるため、$(x + x') / 2 = a$ および $(y + y') / 2 = b$ が成り立つ。これを変形すれば、移動後の座標を直接求める公式が立ち現れる。
$$x' = 2a - x$$ $$y' = 2b - y$$
この「2倍して引く」という簡潔な関係式を頭に叩き込んでおくだけで、グラフ用紙上の作図に頼ることなく、難関校の関数融合問題を代数計算だけで撃破することが可能になる。