もうひとつ、見逃せないのがデンマーク領であるグリーンランド自治政府の旗だ。1985年に制定されたこの旗は、白と赤のツートンカラーに、上下で反転した円を大胆に配置している。
『ナショナル ジオグラフィック』などの特集でもしばしば取り上げられるこのデザインは、地元のアーティストであるトゥエ・クリスチャンセンによって生み出された。上部の白い部分は氷床とフィヨルド、下部の赤い部分は海を表し、反転した円は沈みつつ昇る極夜の太陽、あるいは氷山を映し出す海面を象徴している。
使われている色彩は日本の国旗と完全に一致する「白と赤」だが、北極圏の過酷で美しい自然現象を抽象化したグラフィックは、見る者にまったく異なる冷涼な情感を呼び起こす。