「税務調査が入った際、調査官が真っ先にルーティンとしてチェックするのが、使途不明な領収書と宛名の妥当性です」と、都内で多くの中小企業を支援するベテラン税理士は語る。
日頃の確定申告を問題なく済ませているつもりでも、数年後に行われる税務調査で「実態が確認できない」と判定されれば、該当する経費は一括で否認される。否認されれば、本来支払うべきだった法人税や所得税、消費税の本税に加え、過少申告加算税や延滞税といったペナルティが重加算税とともに課される構図だ。
特に私的な飲食代や高級ブランド品の購入など、業務関連性がグレーな支出において宛名が「空欄」や「上様」になっている場合、調査官の心証は決定的に悪くなる。経費の正当性を証明する責任は納税者側にある。その最初の防壁となるのが、正確に刻まれた宛名なのだ。