あの大惨劇の渦中で、マイクやダスティンたちの少年グループがこの怪物を「デモゴルゴン」と名付けた場面を覚えているだろうか。その元ネタとなったのは、彼らが大好きなテーブルトークRPG『ダンジョンズ&ドラゴンズ』に登場する二つの頭部を持つ魔王だ。架空のゲーム世界における最強の敵の名を模することで、少年たちは現実に現れた理解不能な恐怖を必死に定義しようとしたのである。
だが、作品を生み出したクリエイターのダーファー兄弟が描いた怪物の正体は、ゲームの魔王そのものではない。それは次元の裂け目を越えてやってくる肉食の異次元捕食者だ。目も鼻もない顔面が裂けて開く不気味な造形は、80年代の古典的SFホラー映画や怪獣映画へのオマージュでありつつ、実物大の精巧なアニマトロニクスと最新VFXの融合によって生々しく画面上に再現された。この実在感こそが、恐怖の正体に圧倒的な説得力を与えている。