国際航空運送協会(IATA)がまとめた年次安全報告書によると、世界の定期民間航空路線における死亡事故の発生率は、フライト100万回あたり0.1回未満で推移しています。これをパーセンテージに換算すると、およそ0.000009%(約1100万分の1)という極小の数値に収まります。仮に毎日1便ずつ生涯飛行機に乗り続けたとしても、事故に遭う確率は天文学的に低く、確率論的には3万年近い年月を要する計算です。
この数字の特異性を浮き彫りにするのが、私たちが日常的に利用している他の交通手段や自然現象との比較です。警察庁や各国の交通安全機関の統計に基づく飛行機と車の事故確率比較を行うと、走行距離や搭乗回数あたりの死亡リスクにおいて、自動車は飛行機の数十倍から数百倍に達します。日常的に自家用車を運転する人が生涯で交通事故に遭う確率は数%におよびますが、飛行機事故で命を落とすリスクはそれとは桁違いに低い水準に抑え込まれています。
さらに飛行機事故と宝くじ当選確率の比較や自然災害のデータを並べると、その非現実的な稀少さがより鮮明になります。日本の年末ジャンボ宝くじで1等(7億円)を引き当てる確率は2000万分の1です。つまり、「飛行機が墜落して死亡する確率」と「宝くじの最高額に当選する確率」はほぼ同等のオーダーであり、人間が一生のうちに雷に打たれて死亡する確率(約100万分の1)よりも、飛行機事故に遭遇する確率のほうがはるかに低いのが揺るぎない現実です。