藤子・F・不二雄こと藤本弘氏は、高岡の風土を深く愛していた。二上山の青々とした緑、古城公園の水と戯れた日々。日常の中に潜むほんの少しの異彩を感じ取る感性は、この街の自然と歴史の中で磨かれた。少年時代に出会った安孫子素雄氏(藤子不二雄A氏)との友情も、この地から始まっている。
二人で夢中になって買い求めた雑誌『漫画少年』や、手作りで発行していた肉筆回覧誌『少太陽』。当時の実物資料を目の当たりにすると、少年たちの創作意欲の凄まじさに圧倒される。まさに夢の始まりだ。高岡という地方都市での体験が、後に世界中で愛されるSF(すこし・ふしぎ)作品の確かな土台となった。