高校野球の聖地であり、プロ野球屈指の熱量を誇る阪神甲子園球場には、古くから「魔物が棲む」と言われてきた。4万人を超える大歓声が味方を後押しする一方で、その異様な熱狂は時にホームチームの選手たちにすら逃げ場のないプレッシャーとしてのしかかる。
短期決戦である日本シリーズにおいて、地元アドバンテージが心理的な重荷へと反転する瞬間を、私たちは幾度となく目撃してきた。「地元やし」という言葉の背後にあるのは、本拠地の持つ魔力への盲信と、裏切られたときの反動の大きさだ。勝負事の厳しさを知る玄人ファンほど、このフレーズの持つ多面的な重みに引き寄せられる。